顧客の取引データを継続的に分析し、不自然なパターンや、リスクの高い取引を検知する仕組み。検知した取引は担当者が調査し、疑わしいと判断すれば届出の検討につなげる。取引モニタリングという仕組み自体を名指しで義務づける単独の条文があるわけではないが、金融庁のガイドラインでは体制の整備・検証が対応が求められる事項として位置づけられている。
30秒でつかむ
シナリオ・閾値何を・どこからアラートにするか
取引の類型ごとに条件(シナリオ)と、アラートを出す基準値(閾値)を設計する。
アラート調査検知したら調べる
検知された取引を担当者が調査し、疑わしいかどうかを判断する。
有効性の検証作って終わりにしない
誤検知の多さや見逃しがないかを定期的に検証し、シナリオや閾値を見直す。
図解で見る
混同しやすい語との違い
| 制裁スクリーニング | 制裁スクリーニングは名前をリストと照合する仕組み。取引モニタリングは取引の内容・パターンを見る仕組みで、着眼点が異なる。 |
|---|---|
| 疑わしい取引の届出(STR) | 取引モニタリングは疑わしさを見つけるための手段。STRは、見つけた疑わしい取引を実際に行政庁へ届け出る義務そのもの。 |
| 誤検知(フォールスポジティブ) | 取引モニタリングの検知結果には、実際には問題のない取引が含まれることがある。この見極めと調整が運用の重要な部分を占める。 |
実務ではここで迷う
シナリオや閾値をどう設計するかに唯一の正解はなく、緩めれば見逃しが増え、締めれば調査すべきアラートが膨れ上がるという綱引きが常にあります。自社の商品や顧客層の実態に合わせてどこまで作り込むかは、規模の小さい事業者ほど悩みやすい論点です。
取引モニタリング入門を読む(noteの記事)→ →関連する用語・ツール
疑わしい取引の届出(STR)検知した疑わしさを届け出る義務確認記録と取引記録モニタリングの調査で参照する記録制裁スクリーニング名前を照合する別の確認の仕組みFATF(金融活動作業部会)モニタリングの背景にある国際基準
この用語ページは意味と位置づけをつかむための辞書です。実務の手順・判断のしかたはnoteの記事で扱っています。